伊勢海老のロブ

カメラや家族、旅行と書いていく、日々の備忘録。

ゴミとしてのヒトデ

どうもヒトデが専門になりつつあるロブです。タイトルに伊勢海老って書いてあるのにヒトデです。しかしヒトデの実物は触ったことありません(笑)

 

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これまでの話で、ヒトデは結構邪魔者扱いされているよって話が出てきましたが、特定のヒトデのみについてでした。では、普通にヒトデ全体ではどのくらい邪魔者扱いされているのかを調べてみました。

 

基本データ

全国版の資料が見つけられなかったので北海道に限って考えてみます。資料のほうは北海道庁のHPにある水産振興課より拝借しました。

 

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これは北海道の水産系廃棄物の推移です。水産系廃棄物は漁業やその加工の過程で出てきた廃棄物ですね。平成22年度までのデータしかありませんが、これを参考に見ていきます。

年間約40万t近い水産系廃棄物が出ていますね。これを多いと考えるか、少ないと考えるかはわかりませんが、参考までに言うと東京23区の平成26年度の家庭ごみは約278万tだそうです。

さらにその内訳を細かくしたものがこっちですね。

 

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特筆すべきはホタテのごみの多さ!ホタテウロ(黒くて汚染があったりして食べられない)とホタテ貝殻が半分以上。しかも大半は貝殻のごみ!どんだけホタテ食ってんだよ!もっとアサリとかも食ってやれよ!って感じです。

ただ、あまりにホタテの貝殻のゴミが多いので、積極的にリサイクルされており、最近では6割以上再利用されているようです。

さて、ヒトデは全体の4.5%と控えめな数字なのですが、ホタテや魚たちは狙って集めて廃棄物になったもの。付着物の内訳は不明ですが、ヒトデという1種族だけで廃棄物の4.5%、約1.6万tあると考えると恐ろしい量ですよ、これは!欲しくもないやつらがチラチラ入ってくるわけですね。このように不幸にも回収されたヒトデたちは基本的に廃棄されてしまいますね。廃棄の方法としては、肥料化、焼却、埋め立てがあるそうで、埋め立てが5000円/t、肥料化が15000円/t、焼却は35000円/t費用がかかるんだとか…(すいません正確には覚えてないですが、このくらいだった気がします)。これヒトデをすべて埋め立てたとしても8000万円もかかるわけですよ!ヒトデに!まじで大問題ですよね。

 

有効活用

当然これならヒトデを有効活用してやろうと考える人が出てくるわけなんですが、基本的には食用には向いてません。コラーゲンを取り出して化粧品にしたり、血糖値を抑える効果があるので使ってみたり、体内にあるサポニンを有効活用しようとしています。まぁ、僕はどれもどのくらい成功しているのかは知りませんがね。ネットなどで調べるとヒトでの乾燥品も売っているようで、土壌の改良やボウフラ対策だとか色々言われていますが、どれもパッとした感じはありません。

そんな感じで微妙な感じで有効活用されてるヒトデなんですが、ヒトデの骨だけ有効活用してみようとしてる人もいます。

えっ、ヒトデに骨なんかあるのかって?一応あります。骨片と言って、細かい骨が主に体の表面にあるんですよね。ヒトデって触ると柔らかいでしょうか?固いでしょうか?見た感じ柔らかい気がしますが、どっちにもなります。この骨片というのをうまく使って固くなったり柔らかくなったりできるんですよ。これがまた凄いんですが、その話は次回にしておきます。

この骨片は電子顕微鏡などで拡大してみると、スポンジのように中は空洞がたくさんあります。これを多孔質構造というんですが、これを使って水のろ過の研究も行っています。

 

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こちらは北海道立総合研究機構工業試験場より拝借した、ヒトデ骨片水処理利用のグラフです。硝化率というのは、アンモニアを分解して硝酸や亜硝酸を生成する硝化作用の進行ぐあいを示していると思われます(すいません、この硝化率については、定義が難解で理解しきれませんでしたが、概ねこんな意味だとおもいます。)。アンモニアを分解するということは、下水処理ではどうしても必要になる行程で、水をきれいにするためには必須工程です。

市販品とヒトデ担体を比べると、日数が経過しても全然硝化率が落ちてないんですよ。つまり長持ちすると言うことですね。実際これが下水処理に使えるかは分かりませんが、アクアリウムなどでは有効活用できるのではと言われているようです。

 

さて、そろそろあなたもヒトデに興味が出てきたんではないでしょうか?